転送(ボイスワープ)とは、固定電話に着信があったとき設定している番号に転送発信する機能のことです。
個人事業主や店舗、小規模事務所ではつねに固定電話で対応することは難しいだけに、転送はとても便利な機能だと言えます。しかし、この固定電話の転送には注意点もあって、そのひとつが余計にかかってしまう通話料金です。
今回は固定電話での転送のメリットとデメリット、それとどれくらいの通話料金がかかるのかをご説明します。
1.固定電話の転送(ボイスワープ)のメリット・デメリット
冒頭でも紹介した通り、転送とは固定電話に着信があったとして、あらかじめ設定しておいた番号に自動で転送発信する機能です。では、一見すると便利なだけに思える、固定電話の転送のメリットとデメリットをご紹介しましょう。
固定電話の転送のメリット
- 固定電話の着信を出先で携帯電話から対応できる
- 固定電話で電話対応をする事務スタッフが必要ない
固定電話の転送を利用することで、外に営業に出かけていても店舗や事務所にいるのと同じように顧客対応ができます。顧客からの着信を逃して営業機会を失う…ということもないので、より効率的な営業活動ができるでしょう。
仮に事務スタッフを雇っていたとして、固定電話の転送であれば電話対応の必要がないので事務スタッフを他の作業にまわせます。また、予算に余裕がないのであれば、事務スタッフを削減したとしても電話対応に支障はありません。
固定電話の転送のデメリット
- 固定電話から携帯電話への転送料金が発生する
- 携帯電話から折り返したときに携帯番号が表示される
本来、固定電話でも携帯電話でも、通話料金は発信者側が負担するものです。しかし、固定電話にかかってきた着信を転送すると、通話料金はこれまでどおり発信者側ですが、固定電話には別で「転送料金」がかかります。
さらに、顧客からの着信に気づけず携帯電話から折り返したときは、携帯電話から固定電話までの通話料金、そこに転送料金までかかります。顧客対応に固定電話が必要だとはいえ、通話料金が高くなるのは困りものです。
2.固定電話の転送(ボイスワープ)にかかる通話料金
固定電話の転送には転送料金がかかるとのことですが、これは固定電話から転送先の通話料金と同じです。
例えば、NTT東日本のアナログ回線(固定電話)から各携帯電話に転送発信したとします。
転送料金(通話料金) | |
---|---|
NTTドコモ | 16円/1分 |
KDDI(au) | 17.5円/1分 |
ソフトバンク | 17.5円/1分 |
旧ソフトバンクモバイル | 16円/1分 |
(税別)
※アナログ回線の転送(ボイスワープ)には使用料金(月額 500円〜800円)がかかります。
1回10分の通話だったとして200円程度と、それほど高くはないですが「チリも積もればなんとやら」です。店舗や事務所にとってどれだけ無駄な出費を減らせるかは重要課題なだけに、転送にかかる通話料金を無視はできないでしょう。
3.まとめ
固定電話の転送は出先でも着信に対応できるとても便利な機能ですが、転送料金(通話料金)がかかります。
本来、発信側(顧客側)にのみかかっていた通話料金が、転送すると固定電話(自身側)にもかかってくるのです。それも固定電話から転送先(例えば携帯電話)にかけたときの通話料金がそのままかかってきます。
最近では携帯電話に通話定額プランがあるだけに、無理してまで固定電話の転送を利用するのは考えものです。
固定電話の転送に限ったことではないですが、各通信サービスのメリットとデメリットを把握した上で導入するか検討するのがいいでしょう。たった数百円の違いだったとしても、チリが積もれば経営を圧迫してしまうこともありますよね。